下着選び講座&懇親会への参加

がんセンター内でチラシを見つけました。

「乳がん術後の下着選び講座&乳がん経験者との懇親会」
(確かこんな感じでした)

私も手術を受けることは決まっていたので、
補正下着を直接見れることにも興味がありましたが、
一番の目的は乳がん経験者の方たちに会うことでした。
酵素風呂のお姉さんと出会ってから、現在治療中の人とも話してみたいと思ったのです。

参加することは決めたものの、
実際どのくらいの人が集まるのかも未知でしたし、
全然人が来なかったらどうしよう・・・という不安もありました。

手の黒ずみを見て

当日行ってみると10名ぐらいの人が下着の講座に参加していました。
同年代っぽい人はぱっと見見当たらず、
でもその中でも一番歳が近そうな人の横に座りました。

講座が始まるまで少し時間があったので、隣の方に話しかけたいな~
と思いつつも話しかけられずにいました。すると、

「抗がん剤治療中?手の黒ずみを見てそうかなって思って」

隣の方が声をかけてきてくれたのです!

「やっぱりそうだよね!パクリタキセル?
じゃあ今手しびれてるでしょ!
私も同じ薬やったから気持ちわかるよ~
でも見て!私もう治ってるからちゃんと治るよ!」

とにかく嬉しかったです。
自分では見ると落ち込んでいた、黒くなった手を見て話しかけてもらえるなんて。

その方は50代で、乳がんの種類は違いましたが
私と同じ抗がん剤2種類と手術、放射線治療までを終えられた状態でした。
その方とは講座の合間の休憩時間も、講座後の時間も
1時間ぐらいずっとお話しさせてもらいました。
私が不安に思っているEC療法の副反応のことや、
手術や放射線治療のことまで。

「抗がん剤さえ乗り切っちゃえば、手術も放射線治療も楽勝だから♪」

その方がはっきりそう言ってくれたことで、
とにかく抗がん剤を乗り越えようと思えました。

その方は他にも、入院中にお友達になった人の話や、
自分の身の回りで乳がんになった人が治療後
どのように生活されているのかを教えてくれました。

「なんなら手術の傷口も見せてあげるよ!
他にも聞きたいことあれば何でも聞いて♪」

この人も酵素風呂のお姉さんと同じだ。
なんてオープンで優しいんだろう。
しかも酵素風呂のお姉さんも50代。
50代の先輩患者さんの虜になった瞬間でした。(笑)

そんな物凄く明るく接してくれるお姉さんたちも
話していくと辛い時期もあり、それを乗り越えて今があることを知りました。

私と同じだ。同じ時があったんだ。

それを直接聞けたことは私にとって本当に大きかったです。

自分だけじゃなく、同じ思いをしている人はいっぱいいる。

それは癌と言われた日から頭ではずっとわかっていることでした。
でもずっと孤独でした。癌患者さんあるあるの一つなのではないかと思います。

「実際に経験したことがある人がある人の話って
なぜかすっと心に入ってくるよね。」

「どんなに看護師さんに励まされても、心のどこかで
実際抗がん剤受けたことないでしょ?って思っちゃってた。
あんなによくしてくれてる人たちに失礼なんだけどね(笑)」

お二人ともこう話していました。
私も時々元気に出かける夫を見て、

いいな、元気で。

と思ってしまうことがあり、こんなに応援してくれている人に対して
そんなことを思う自分って最低だなって思っていました。

でもそんな黒い部分も含め、同じような感情をもつことも知れて

今は仕方のないことだ。体が健康じゃないときっと心も健康になれない。

と割り切ることができるようになりました。

その方とは名前も聞かずに別れてしまいましたが、
いつかがんセンターで再会した時はまたお話ししたいなと思っています。